前回の【本読みの小旅行】で『タネから育てる山野草』を取り上げた。
種取りにもいいが、リースやスワッグなどの材料採取にもとても良い季節だ。
副題に「植物の四季を暮らしに」とあり、四季に分けて紹介されている。
秋始まりなところが面白い。秋は、夏の余韻と冬枯れの間を、行きつ戻りつしながら少しずつ進んでいくのだ。森はカレンダー通りには動かない。
リースの名前がいちいち素敵でニクい。
使用した植物の名前を付けるリースが多い中、刻々と変わる立ち枯れの草の色、寒さの中の針葉樹の緑、どこまでも伸びゆく美しい野草といった名前が並ぶ。
暮らしと自然をつないで「表現」がある。
素材から集めることの贅沢は、田舎暮らしの醍醐味だろう。