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本読みの小旅行042

森のリース、森の恵み

横山美恵子 著(河出書房新社)

森のリース、森の恵み

前回の【本読みの小旅行】で『タネから育てる山野草』を取り上げた。
種取りにもいいが、リースやスワッグなどの材料採取にもとても良い季節だ。

副題に「植物の四季を暮らしに」とあり、四季に分けて紹介されている。
秋始まりなところが面白い。秋は、夏の余韻と冬枯れの間を、行きつ戻りつしながら少しずつ進んでいくのだ。森はカレンダー通りには動かない。

リースの名前がいちいち素敵でニクい。
使用した植物の名前を付けるリースが多い中、刻々と変わる立ち枯れの草の色、寒さの中の針葉樹の緑、どこまでも伸びゆく美しい野草といった名前が並ぶ。

暮らしと自然をつないで「表現」がある。
素材から集めることの贅沢は、田舎暮らしの醍醐味だろう。

今日の言の葉

森の断片を再現する。

秋深まって、冬の準備をしている。
種を作ったり、まだ青い部分があったり、すっかり枯れていたり。
採取したときの植物の様子で、リースの中に複雑な季節の入り混じった「森」が表れる。
森の断片を再現するたった一つの条件は、自分自身が森を歩き回って材料を集めることだ。

by ゆうき2018.11.06

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