遠くて近い、森の国
「LUOMU(ルオム)」とは、フィンランドの言葉です。
なぜフィンランド?…と思われるかもしれませんね。
長く厳しい冬と、つかの間の輝くような夏をくり返す北欧は、「ルオムの森」がある北軽井沢の気候とよく似ています。フィンランドは「森と湖の国」とうたわれますが、きたかるの森も美しく、清らかな水が流れます。
北欧の人々にとって、森はとても身近で大切な場所です。森に入り、心を開き、親しい人と語らう。誰かの土地であっても、立ち入ってピクニックをしたり、魚釣りをしたり、野性の果実やキノコを採ったり…豊かな自然の恵みを味わう権利(自然享受権)が、古くからの慣習として認められているのです。
生き方を考える
そんなフィンランド人のライフスタイルを表した言葉が「LUOMU(ルオム)」です。日本語にすると「自然に従う生き方」。
生き方…というと、すこし大仰に感じるかもしれません。実は私たちも、この言葉を前に悩むことがあります。〈自然〉とはなにかと考えたり、〈生き方〉には正解がないと知るからです。
フィンランド生まれの物語「ムーミン谷の冬」に、こんなセリフがあります。
「わたし、北風の国のオーロラのことを考えていたのよ。あれがほんとにあるのか、あるように見えるだけなのか、あんた、知ってる?
ものごとってものは、みんな、とてもあいまいなものよ。まさにそのことが、わたしを安心させるんだけれどもね。」
あいまいなことが、安心?逆に、不安になる!という声が聞こえてきそう。
あいまいなことをあいまいなままに、〈安心〉と感じられる心。その心の持ちようが、「ルオム」らしい生き方につながるのかもしれません…(あいまい)。