ルオムログ

百蜜日記 05

ミツバチのお引越し

明け方のお引越し

里から山へ

里で夏をむかえたミツバチたち。これから暑さも本格化し、まとまって蜜をだす植物が里には少なくなるため、山へお引越しすることになりました。

ミツバチは普段、巣箱から半径2~3kmの範囲を飛び回っています。周囲の環境や太陽の位置などから巣の場所をしっかり記憶しているので、引越しの際は元にもどれないようにすることが大切です。少なくとも直線距離で3km以上離れた、土地勘のない場所へ移動させます。

旅立ちは、日の出まえ。外回りの働きバチも帰宅している時間に行います。
門番のミツバチも中に入れて、入り口を閉めます。中に熱がこもらないよう、巣箱には網のついた窓がついています。それをそーっとトラックに積み込み、動かないようにしっかりとロープで固定し、そろりそろりと新居へと移動します。

門を閉じた巣箱

きたかる・リゾートワーカー

今年の避暑地は標高約1,300m。北軽井沢のはずれにある、緑深い山の中。ありのままの自然が残され、リョウブ・シナノキ・ノリウツギ・ハリギリなどが咲いています。

新天地に着き、門をあけてやると「ここはどこだ!?」と一斉に飛び出してきます。そうして、新しい環境をまた記憶し、毎日蜜集めのお仕事へと繰り出します。

これから集める蜂蜜は、主にミツバチの越冬のため。
北軽井沢本来の自然を抱く山から採れた蜂蜜は、どんな味わいになるのでしょう。自然が豊かで、ミツバチがこのまま伸び伸びと元気でいてくれれば、いつか皆様にもおすそ分けできるかもしれません。

森の養蜂所

今日の言の葉

30センチ以内、3キロ以上

巣箱を移動させるときの合言葉。
今回は長距離のお引越しでしたが、近距離でも注意が必要。巣門の位置を覚えているミツバチは、1メートルでも横に動かしたり回転させたりすると混乱してしまうのです。
1日に数10cmずつ、じょじょに移動させてくださいね。

by しずか2019.07.23

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