おばあちゃんのつむぎ車
「Mumman Rukki」とは、フィンランド語で「おばあちゃんのつむぎ車」という意味です。
知り合いのフィンランド人の方から、100年前から使われていたという古い糸車を譲り受けました。お母様が亡くなられてから使い手がおらず、引き取ってくれる先を探していたのです。
海を越え、フィンランドから北軽井沢へやってきたつむぎ車。
箱を開けて取り出すと、細かいパーツはバラバラの状態で、まるでパズルのよう。
繊細な装飾や、青い色が塗られていてとても美しい。
昔のフィンランドでは、各家庭に糸車が普及していて、手作業で糸を紡いでいたそう。ネジや細かなパーツまで木で丁寧に作られていたり、修復して使ったであろう痕跡が至る所に見えたりと、歴史を感じます。
バラバラだった糸車が組みあがり回りはじめると、まるで思い出を紡ぐように、昔語りがはじまりました。フィンランドの家では暖炉の前で大切に使われていたこと、糸車で麻も紡いでいたこと。思い出を語る言葉には、お母様を思い、家族をつないでいた糸車を愛おしむ想いにあふれていました。