はじめに
山が好きな私は、自分の衣食住をバックパックに詰め込んで旅をするうちに、このままどこへでも行けるという可能性に気付きました。
バックパックには、生きていくために必要だと自分で厳選した道具しか入っていません。言い換えれば、それさえあればどこでも生きていける(気がする)。
けれど実際には、仕事やローン、生活など、自分で作った制約によって行動は限られています。そんなひとつひとつの制約も、考え方や価値観(自分の中での基準のようなもの)を少し変えるだけで、制約が制約でなくなり、いろいろなライフスタイルが実現できる。そんな可能性を感じさせてくれる本を選びました。
1:あるミニマリストの物語
ジョシュア・フィールズ・ミルバーン (フィルムアート社 )
大手企業に勤め若くしてトップクラスの販売マネージャーになった著者が、離婚、母の死をきっかけに自分の所有物を改めて見直したとき、新しいモノを購入したり、多くのモノを所有することで何が本当に必要なのかを見失っていると気付く。
あらゆるものを削減し、厳選された低負担な生活を送る中で、自分が本当にやりたかったことに挑戦していくお話し。
ミニマリストブームはファッションやノマドワーカーなどのワークスタイルにまで広がり、さまざまなハウトゥー本がある。けれど本書は、小説。著者がどんな葛藤や不安を抱えながら、ミニマリストの道を進んでいくかが垣間見れます。またその過程で、自分が知った価値観を共有することの重要さにも気づき、結果それが仕事にもつながっていく。